ズーム・リザード

ワシントン州からオレゴン州にまたがり流れるコロンビアリバーで行われたB.A.S.S.ウェンスタン・インビテーショナル。その川は、川とはいえ川幅は琵琶湖南湖ほどで、スモールマウスを主体とした、下流にある水門の開閉に伴い流れが発生するタイダルリバー。まだ、日本からの参戦が今ほどメジャーではない頃、単身単独で乗り込んだが、プラを行う術もなく、たまたま声をかけたスキート・リースの助けを借りて、何とかプラに同船させてもらえる人を得た。釣行を終えた後の夕食時、彼は「グリーンパンプキンのリザードをもっているか?」と訊いた。リザードは、日本では全くメジャーではなく、当然ながら私は持っていない。彼は、必ず必要になるから、後でやるといったが、彼の奥さんの合流やらで有耶無耶に別れた。

いざトーナメントが始まると、初日の同船者もやはり、グリーンパンプキンのリザード。それを、スピニングロッドに、1/4ozのキャロライナリグでセットし、シャローフラットに乗せ、ブレイクで流れに乗せる。彼には何度かヒットしたが、自分にはヒットしなかった。その日の夜、モーテルのオーナーに釣具店を聞き、慣れない夜のフリーウェイを飛ばして買いにいった。

3日間のトーナメント期間中、同船者はすべて同じリグだった。なぜ、リザードのキャロなのか。その答えは、まさにその形状にあった。リザードが持つ手足。それが、流れを受けると両翼の役割を果たし、浮き上がりやすくする。また、ジャークすると浮き上がるような動きをする。タイダルリバーであるコロンビアリバーでは、キャロで固定し流れに乗せることでルアーを漂わせることができる。それが、ナーバスなスモールマウスに効く。

リザードといえば、イモリかトカゲか。日本では、それはメインベイトではないと一蹴してしまうかもしれない。しかし、リザードは、リザードとして使うのではない。あくまでもよりベイトフィッシュらしさを演出できるベイトフィッシュライクなルアーとして使う。手足が水流を受けやすいことから、わずかな水流でも浮き上がりやすくなる。流れがあるところはもちろん、キャロをジャークすることで、イレギュラーな動きも演出できる。低活性なバスには、魅力的に映るに違いない。リザードは、リザードにあらず。低活性なバスへのフィネスアプローチには、欠かせないルアーのひとつだ。

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