スポーニングの季節を迎える前に、身に付けておきたい習慣がある。潮の満ち欠け、月齢、潮汐。水辺に生息する生き物の、ほぼすべては、この月の影響を受けると考えていい。だから、産卵を迎えるのは、大潮のとき。
その日付を軸に、産卵時期を仮定する。もちろん、潮汐だけではなく水温も重要。そういった複合的要因を加味し、時期を見極める。バスは、こうした要因の関係を身体全体で感じながら、スポーニングエリアまでの道のりを行き来する。
今日は、どの位置でどういった状態にあるか。その戦略は、選択するべき戦術に繋がっていく。春だから、このルアー、プリだからこのエリア。ただ、これだけの判断では、バスとの間合いはつめられない。あくまでも、対局するのは自然。
特に、この時期には、それを意識する必要がある。水温計と魚探だけに目をやるばかりではなく、木々の色づきの状況や小鳥のさえずりなどにも心向けたい。
そこに、季節や自然の流れの変化を感じ取ることができるだろう。そして、それらを包含した先の戦略に自分のサカナがいる。