シンカーの重さを選択する基準は、その条件の、どれを優先するかによって決まる。水深に応じた手返しのよさ。フォールスピードの調整。そして、コントロール性。喰い重視にした、取り得る最も軽いシンカーの選択。
手返し重視にした、限界ギリギリの重さのシンカーの選択。状況を考えみたとき、どうしても喰い重視の軽さ、そして、手返しのよさの重さの両極端な選択になりやすい。
シンカーのコントールで、もうひとつ重要なのは、縦ストラクチャーにタイトにアプローチするという選択。キャストされたルアーは、ラインと水の抵抗を受け、基本的には、手前に戻される傾向にある。
それは、軽めのシンカーで、フリーフォールさせたとしても、垂直には落ちていかない。夏の状況次第では、バスはストラクチャーの中層に、非常にタイトに付くことがある。
そういったバスをフォールで狙うとき、軽すぎるウェイトでは、ターゲットゾーンを逃す可能性が高い。そのゾーンは、基本的に比較的小さいと考えること。ストラクチャーの影の部分、そして、波の方向からスポットを絞り込む。
あとは、超タイトにスローに落としていく。この攻めにおけるシンカーのウェイトは、シンプルな食材の塩加減に似ている。少しの違いが、料理の成否を分ける。
他の要素に影響を受けないギリギリの線。薄すぎず、辛すぎず。一流料理人としての腕の見せ所だ。シンプルなことほど、奥深さを感じるものだ。