ルアーとは何か?

ルアーとは何か?その元々の意味は、「魅了する」という意味だ。サカナを「魅了」し、ダマす。それがルアーだ。サカナを魅了するために、ルアーは、ルアーになった。つまり、現実のサカナよりも、よりサカナらしく。それは、リアルという意味ではなく、よりサカナを魅了し狂わせるということだ。もし、ルアーにリアルさだけを追求するならば、スピナーベイトやラバージグを、どう解釈するればよいだろうか。

また、ルアーはサカナより、よりリアルであることに加え、もうひとつ重要な要素を踏まえている。それは、「アプローチに対する効率性」だ。ルアーがターゲットするバスなどのフィッシュイーターは、基本的にカバーフィッシュだ。そして、カバーに着いている個体の方が、そうではない個体よりも、圧倒的に釣りやすい。故に、カバーや水深に対して、より効率的にアプローチできるように考えられてきた。それが、クランクベイトやスピナーベイトといったルアーのカテゴリを形成した。

バス釣りは、「効率性のゲーム」と呼ばれるように、如何に効率よくクオリティフィッシュを釣るかというゲームだ。このゲーム性が、ルアーを進化させてきたといっても過言ではない。一方、日本の釣り文化は、エサによりサカナをおびき寄せる、「待つ釣り」が主流だった。このスタイルとルアーが独特な文化を生み出した。よりサカナらしく見た目のリアルさの追求だ。ルアーをエサという概念で捉えるならば、そういった方向性に行くことも不思議ではない。しかし、これは、あくまでも個人的な主観ではあるが、その方向性が、ルアー釣りを難しくしているようにも感じる。

その証拠に、タフレイクと云われるメジャーレイクにいけば、多くのアングラーはライトリグで釣りをしている光景を見る。理由は、フィッシングプレッシャーやタフだからというものだ。しかし、そういった休日であっても、いわゆるルアーで釣ることはできるし、そういった中で、クオリティフィッシュを釣り上げてきた。それは、決して簡単ではないが、湖全体がタフではない証拠だ。「状況に応じたエリア選択」と「アプローチの効率性」の追求によってもたらされるものだ。

ただサカナを釣りたいだけならば、エサ釣りをした方が確実に早い。ルアーとは何か?なぜ、自分はルアー釣りを選択しているのか。そこに立ち返ってみたとき、自分の釣り方やフィールドへの向かい方は、どのように変化してくるだろうか。ルアーアングラーであるかぎり、ルアーがルアーである意義を決して見失わないようにしたいものだ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)