テンションフリー

「緊張」は、「不自然さ」を演出する。不自然さは、明確な汚点を与えないが、何か素直に受け入れがたい雰囲気を出す。その雰囲気は、時に不信感や警戒心を生み、本来、うまくいくものであっても結果を変えてしまう。

「うまくやろう」という気持ちが、「緊張」を作る。そして、「緊張」がうまくいかない要因になる。「緊張していない」といっても、それは伝わる。ごまかそうとしても、それはなぜか判ってしまうもの。

自然に受け入れてもらうならば、「緊張」をなくして、自然体にならなければならない。この「緊張」の与えるエネルギーは、サカナに対しても、やはり同じことがいえる。田辺プロは、従来の解釈を一歩進めた。テンションフリーがバイトのタイミングだという。

ヒラウチや送り込み、巻き始めのバイト。これらは、すべてテンションフリーの状態。ラインのテンションからルアーが開放された瞬間。この瞬間に、サカナは「自然」になるという。

動きの変化によるリアクションという見方から、テンションフリーによる警戒心の解除という見方へ。それは、サカナの本能に訴えるもの。「何か変だ」という不自然さを払拭した瞬間、狩猟本能は開放され、バイトに持ち込むことができる。

張らず緩めずという状態や、フリーフォール。出来る限りの「自然な状態」の演出。テンションフリー。ひとつのテーマとして取り組むには、十分に面白いテーマだろう。

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