どういう釣り方をしたいのか。どういうサカナに出会いたいのか。釣り人ならば誰でも、その理想形を描いている。しかし、実際にフィールドに立ったとき、どこからか別の力が作用してくる。
まずは、一匹を手にしたい。とにかく、釣りたい。ボウズは、避けたい。その心理は、なぜかスローな釣りを誘い出す。スローでフィネスだと釣れるという確固たる理由。実は、そんなものはないはずなのに。
特に、今のシーズン。サカナは、特定の場所に固まっているもの。一ヶ所でスローに釣るよりも、めぼしい場所をチェックして回るほうが効率がいい。同じ時間で、チェックできる場所が違えば、もちろん、その釣果も変わってくるはず。
一体、誰のために、何のために釣りをするのか。食べるための釣りではないゲームとしての釣り。自分の「想い」以外の利害関係のない釣り。「自分に素直になろうよ」。誰にも、その制限は必要ないはず。
春という新しいシーズンを迎える前に、もう一度、自分自身に対して確認しておく。「誰がために釣りをする」。自分のスタイル、自分のサカナ。いつでも、少しでも、それに近づいていきたいと思う。