天秤とターゲット

バスの体内には、天秤がある。その天秤では、その時々の状況を計り比べる。食欲か繁殖か生命維持か。そして、本能というのは、いつそれをやれば最も効率的かを知っている。繁殖するならば、どういった条件がベストか。

ベイトを追うならば、どういった条件がベストか。そのベストな状況で事をなせば、あとは、体力を温存しながら安全に過ごす。人間の社会は、明日はどんな感じか想像がつく。そして、それに対して準備しておくことができる。

雨が降るといえば、そういった予定にするし、寒くなると判れば、ストーブも出す。しかし、自然界ではそういうわけにはいかない。冷えた雨で急激に水温は低下するかもしれない。おまけに、雨でニゴリが出てくるかもしれない。

いずれも、それに備えて「準備」することは出来ない。だから、出来るべきときに確実に出来る事をしようとする。それが、生命を維持するための基本的な本能だ。今は、動くべきか動かざるべきか。そのことは、バスの行動を大きく左右する。

急激な水温変化が、バスの動きを止めるとするならば、アングラーとしては、どうすればいいのか。変化の影響を受けない場所を選択すること。急激な変化への対応は、これに尽きる。

狙いは、そこに逃げ込んだ個体ではなく、もともと、そこに居ついている個体。変化を変化と認識していない個体。もし、それにアプローチできればバイトも見込める。「変化」を自分の天秤にかけていない個体。

バス釣りは、事故に合うように釣るゲームではない。自分からアプローチすることにゲーム性がある。ターゲットは、出来るだけ絞り込む。それが、具体的であればあるほど近づける。

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